セクション5: 有望な投資アイデア
株式
ウィルス・ツァイ
有望な投資アイデア
- 成長志向の米国ハイテク/AI銘柄への投資と、配当成長株や上場インフラ株といったディフェンシブな資産への投資をバランスよく組み合わせた「バーベル戦略」を提案します。これらはいずれもインカム収入の獲得とボラティリティの低減が期待できます。
投資のポジショニング
(やや強弱まちまちではあるものの)堅調な経済成長、緩やかな金利低下、そして企業業績の改善傾向が引き続き世界の株式市場を下支えしています。バリュエーションは割高感が増しつつありますが、投資家はその懸念をひとまず脇に置いている状況です。総合的に判断して、当社は現時点では中立スタンスを維持しており、マクロ経済動向よりも、高クオリティな銘柄の選別を重視することが重要と考えています。
AIブームは依然として力強く、長期的な追い風が続いています。しかし、大型テクノロジー企業(メガキャップ・テック)への監視・規制の目が厳しくなっていることから、より幅広い銘柄群が市場をけん引する動きが加速するとみています。こうした流れの恩恵を最も受けるのは、バリュー(割安株)戦略およびシクリカル(景気循環株)戦略だと考えています。
米国の大型株は、小型株や他の先進国市場と比べて引き続き魅力的だと考えています。その根拠として、FRB(米連邦準備制度理事会)の緩和的な金融政策姿勢に加え、成長を促す税制や規制政策が下支えとなっていることが挙げられます。一方、新興国市場は最近上昇しているものの、貿易政策の不確実性や地政学的リスクが残ることから、引き続き慎重な見方を維持しています。
また、ポートフォリオ構築に関するテーマでも述べているとおり、株式市場全般に対して前向きなスタンスを継続しています。
債券
アンダース・パーソン
有望な投資アイデア
- 優先証券は、良好なファンダメンタルズと新規発行の少なさを背景に恩恵を受けると見込まれます。シニア・ローンは魅力的な利回りとバリューを提供しています。
- 米国地方債については、ヘルスケアおよび高等教育分野にいくつかの投資機会があると注目しており、デュレーション14〜17年のゾーンに魅力的な投資妙味があると考えています。
投資のポジショニング
私たちはグローバル債券市場に対して引き続き強気のスタンスを維持しています。一部の領域でクレジット・スプレッドがタイトになっているものの、利回りは魅力的で、ファンダメンタルズは堅調、投資家需要も高い水準にあります。従来と同様、投資家は幅広い分散投資を心がけるとともに、アクティブ運用が提供する機動性と柔軟性を積極的に活用することが賢明だと考えています。
米国債の相対的な投資価値は低いと判断しています。短期金利が低下する局面においても、長期金利は一定のレンジ内で推移すると予想しています。デュレーションをニュートラルに維持しながら、クレジット機会に注力する戦略を推奨します。
投資適格債は、タイトなクレジット・スプレッドとデュレーションの長期化によって逆風に直面する可能性があります。一方、シニアローンやCLO(ローン担保証券)は、相対的に高い利回りとセクター間の歪みを背景として、興味深い投資機会を提供しています。新興国債券、とりわけ社債も魅力的に映ります。ハイ・イールド債については、ファンダメンタルズが引き続き堅調で、長期的な見通しも良好です。優先証券については評価を引き上げており、魅力的な利回り・高い信用品質・適度な流動性という三拍子揃った組み合わせに注目しています。証券化商品については長期的に強気のスタンスを維持していますが、足元のパフォーマンスは非常に好調であり、スプレッドは現時点で適正水準にあるとみています。
米国地方債は、私たちが最も注目する資産クラスの一つです。堅調なファンダメンタルズが価格上昇と魅力的な相対価値を支えています。右肩上がりの地方債利回り曲線(イールドカーブ)は、デュレーションの長期化を検討している投資家にとって魅力的な利回り水準を提供しています。
プライベート・クレジット市場については、ストレスの兆候を注意深く監視しながらも、引き続き投資機会を見出しています。最近報じられたネガティブなニュースや散発的なクレジット・イベントは、ローンのストラクチャーや強固なコベナンツ(財務制限条項)を重視した慎重な銘柄選択の重要性を改めて浮き彫りにしています。
不動産
チャド・フィリップス
有望な投資アイデア
- プライベート(非公開市場)・パブリック(公開市場)双方の不動産において、私たちは需給バランスが魅力的なセクターに注目しています。具体的には、中小型物流施設、生活必需型リテール、シニア向け住宅、データセンターが挙げられます。
投資のポジショニング
プライベート不動産市場は回復が続いており、私たちは強気なスタンスを維持しています。リターンは地域・物件タイプを問わず改善傾向にあり、その主な牽引役は賃料収入の上昇と新規供給の減少です。今後数四半期にわたってキャピタルゲイン(値上がり益)も期待できると見込んでいます。
セクター別では、中小型物流施設、生活必需型リテール、ヘルスケア、グローバル共通で住宅を特に重視しています。それぞれの特徴は以下の通りです。中小型物流施設は、インダストリアル用途への用途変更が難しいという事情から新規供給が限られており、空室率が低水準で推移しています。生活必需型リテールは、食品スーパーを核テナントとするショッピング・センターへの需要が堅調で、高い稼働率が維持されています。ヘルスケア分野(特にメディカル・オフィスとシニア向け住宅)は、米国や日本をはじめとする高齢化社会の恩恵を受けています。グローバルで住宅は人々の最も基本的な生活ニーズに応えるものであり、長期的に旺盛な需要という追い風が続くと考えています。
不動産デットはスプレッド・プレミアムが依然として高水準にあり、引き続き魅力的です。ただし、市場の回復が広がりをみせるにつれ、私たちはエクイティ(実物・持分)をより重視する方向にシフトしています。
上場REITは価格が上昇し、純資産価値(NAV)は現在ほぼフェアバリュー(適正価格)水準に達しています。現状は銘柄選択が重要な局面と捉えており、シニア向け住宅、ヘルスケア、データセンター、そして低所得者向け住宅供給の選択肢となるマニュファクチャード住宅・レクリエーション・ビークル(RV)リゾートに注目しています。
インフラおよびリアル・アセット
ジェシカ・ベイリー
有望な投資アイデア
- パブリック市場では、加速する利益成長を実現しながらも割安な水準で取引されている公益電力企業に注目しています。プライベート市場では、クリーンエネルギーによる発電、エネルギー貯蔵、データセンターなど、気候変動対応とデジタル・トランスフォーメーションといったテーマに沿った投資に引き続き注力しています。
投資のポジショニング
インフラ投資はパブリック/プライベート市場、エクイティ/デットを問わず、Nuveenのグローバル投資委員会(GIC)が重点を置き続けている分野です。エネルギー需要は衰える兆しがみられず、インフラ投資は堅固なファンダメンタルズ、景気耐性、そしてインフレ・ヘッジの可能性を備えています。また、金融市場全体で高まる不確実性とボラティリティが、実物資産全般への需要をさらに押し上げています。
公共インフラは、魅力的なバリュエーション、安定したキャッシュ・フロー、そして事業の公益性・ディフェンシブな特性から、特に投資妙味が高い分野だとみています。具体的な投資機会としては、データセンターの新設・拡張、天然ガス火力発電、そして構造的な成長を取り込む位置にある電力公益企業などが挙げられます。私たちは電力需要の伸びが最も大きい地域を重点的な注力対象とし、規制当局の監視が厳しい地域は回避する方針です。
プライベート市場においては、急増する電力需要やクラウド・コンピューティングの拡大から恩恵を受けるインフラ資産を中心に、エクイティ/デットの双方で投資機会が広がっています。旧来型の資産よりも、効率性の高い最新のエネルギー・インフラを優先し、データセンターや環境移行を支えるサステナビリティ重視の投資に注力しています。また、エネルギー貯蔵分野でも一部有望な投資機会があり、こうしたテーマを投資対象とする特に欧州のエクイティ投資に注目しています。
農地は、差別化されたリターンの可能性とインフレヘッジ特性から、長期的に魅力的な資産配分先であることに変わりありません。ただし、特に米国では一年生作物の利益率が引き続き低下傾向にあります。
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