主なポイント
- 世界経済の成長見通し、インフレ動向、および金利見通しは依然として不透明ですが、注目の分野と見落とされがちな分野の両方に魅力的な投資機会が存在していると考えられます。
- 米国の大型株とプライベート・クレジットには依然として上昇余地があると見込まれます。
- 幅広いオルタナティブ・クレジット市場や、AIブームの二次的な波及効果から生じる投資機会など、これまであまり注目されていなかった分野にも目を向けることが望ましいと考えられます。また、地方債、不動産、およびプライベート・エクイティなどの分野では状況が好転する可能性があり、その場合には魅力的な投資機会が生じると考えられます。
セクションごとの投資見通し
- セクション1: 注目の投資機会と見落とされがちな投資機会 -2026年の5つの投資テーマ
- セクション2: 経済・市場環境 -押さえておくべき重要なポイント
- セクション3: 資産クラス別の「ヒートマップ」
- セクション4: ポートフォリオ構築における5つのテーマ
- セクション5: 有望な投資アイデア
セクション1: 注目の投資機会と見落とされがちな投資機会 -2026年の5つの投資テーマ
サイラ・マリク, 最高投資責任者
目に見えているものが、そのまま手に入るとは限りません。たとえそれが身の回りにありふれているものであっても同じです。このことは、20世紀の重要な発明の一つであるレーダーにも当てはまります。レーダー(RADAR)とは、電波探知・測距(Radio Detection and Ranging)の頭文字をとったものであり、1940年に米国海軍が生み出した造語です。レーダーは高周波の電波を送受信する装置から成るシステムであり、肉眼では確認できない対象物の位置を把握・追跡することができます
レーダーは軍事用途にとどまらず、汎用技術として進化を遂げており、現在では社会の至るところに浸透しています。幅広い分野で活用されているため、私たちは当たり前のものとして受け止めているかもしれません。レーダーの活用例としては、航空管制、気象予報、自動車の安全技術、遠隔医療による健康状態のモニタリングなどが挙げられます。米プロ野球史上最速の球を投げたのは誰か、といった問いに答えられるのも、メジャーリーグの各球場にレーダーガンが設置されているからに他なりません。
投資においても、レーダーのように、目に見えないものを捉える能力が求められます。当社は投資家として、経済・市場環境や発行体のファンダメンタルズを継続的に注視し、魅力的な投資機会と重要なリスクを見極めることに努めています。しかし、現在のような不透明な環境下では、こうした点を見極めることは容易ではありません。世界経済は底堅さを維持しながらも減速しており、インフレ圧力も根強く残っている中で、金融政策の先行きを見通すことが困難となっています。さらに、地政学的緊張や貿易摩擦が高まっているほか、米政府機関閉鎖の影響で一部の経済指標が欠落している(または発表が遅れている)ことから、投資判断に必要なシグナルが伝わりにくい状況となっています。
とは言うものの、主に2つの兆候が確認できます。それは、株価のバリュエーションが高水準にあることと、クレジット・スプレッドがタイトな水準にあることです。また、投資家の待機資金が積み上がっている点も無視できません。一方、短期金利が緩やかに低下し、根強いインフレが続いている中で、こうした待機資金の実質的な価値は目減りしつつあります。では、投資家はこの待機資金をどこに振り向けるべきでしょうか?当社では、大きく分けて2種類の投資機会が存在していると考えています。
• 注目の投資機会(投資家のレーダーに映っている分野):これらの機会への資金の振り分けは、当社がこれまで示してきた投資テーマの延長線上にあるものです。例えば、米国の大型株は注目度が高く、これまで堅調なリターンを上げてきましたが、それでもなお投資妙味があると考えられます。また、米国以外の国・地域の大型株と比べても、相対的に魅力度が高いと思われます。同様に、プライベート・クレジットについても当社は以前から有望な投資先として評価しており、一定のリスクはあるものの、選別的な投資機会が存在すると考えられます。
• 見落とされがちな投資機会(投資家のレーダーに捉えられていない分野):詳細な分析を行った結果、投資家が見落としている分野、または投資対象として認識すらされていない分野にも投資機会があると考えられます。投資対象としては、シニア・ローンやローン担保証券(CLO)といったオルタナティブ・クレジット商品のほか、投資適格のプライベート・プレイスメント(私募債)や資産担保ファイナンスといった専門性の高い資産クラスの選択肢も挙げられます。
さらに、注目の投資機会と見落とされがちな投資機会のいずれにも該当しない分野として、不動産、プライベート・エクイティ、および地方債にも目を向けることもできます。これらの分野は、足元で状況が好転しつつあり、投資妙味が高まっていると考えられます。
「2026年の5つの投資テーマ」では、当社が重視する投資テーマについて詳細に説明しています。5つの投資テーマとは以下の通りです:(1)米国の複数の資産クラスに分散投資を行う、(2)オルタナティブ・クレジットとプライベート・エクイティをポートフォリオの中核に据える、(3)当社が以前から重視してきた地方債に投資する、(4)市場環境が好転しつつある不動産に投資する、(5)AIブームとエネルギー需要の拡大による「二次的な波及効果」から生じる投資機会を捉える。
これまで、レーダーに例えて説明してきましたが、上記に示した投資テーマは、レーダー・スクリーンに一瞬映る小さなシグナルではなく、確信度の高い投資アイデアです。目に見えているものはもちろん、見落とされているものも含めて、これらは市場における投資機会とリスクを見極めながら投資判断を行うための指針となります。2026年に向けてポートフォリオの構築や見直しを行うにあたり、これらの提案を検討材料としてご活用ください。
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