地方債
課税地方債:良好な環境を予想
課税地方債を取り巻く市場環境は、投資の好機であることを示しています。発行量の増加と米連邦政府の政策を巡る不透明感を背景に、利回りは歴史的な高水準で推移するとともに、イールドカーブのスティープ化によりデュレーション長期化の好機が生まれています。今後を見据えると、夏場の発行量減少ならびに強い再投資需要と強固なファンダメンタルズが組み合わさって有利な条件が整う可能性は高く、秋に向けてさらに明るい展望が開けると予想されます。
重要なポイント
- 市場動向: 発行量増加などの需給要因により、課税地方債は他の債券セクターをアンダーパフォームしています。これにより課税地方債の利回りは上昇(価格は下落)し、相対的に割安な投資機会が生まれています。
- 魅力的な参入機会: 4-6月期末の課税地方債利回りは4.99%で、米国社債と同水準となりました。課税地方債の利回りが社債と肩を並べるのは2021年以来のことです。課税地方債は社債に比べて信用力が高く、ブルームバーグ課税地方債指数の75%以上がAA-格以上であることから、利回りが社債と同水準にある現在の状況は、非常に魅力的な投資機会といえるでしょう。
- 高等教育セクターのトレンド: 連邦政府の政策を巡る不透明感を背景に、高等教育セクターは資金調達を目的とした債券発行を増加させました。ただし、政策の影響が明確になれば、発行水準は正常化すると見込まれます。
- 季節要因: 例年、夏場は供給量が減少するほか、7-8月は満期償還と繰り上げ償還による再投資需要が増加します。これらが相まって、下期の初めは課税地方債のパフォーマンスが向上する可能性があります。
- 信用力の見極め: セクター特有の課題によりセクター間で信用力の差異が拡大しているため、慎重な証券選定がポートフォリオのパフォーマンス向上にとってますます重要になっています。
- 租税政策: 「一つの大きく美しい法案(OBBBA)」には当初、「差別的とみなされる外国」に対する米国所得税と源泉徴収税率の引き上げを意図した内国歳入法899条の新設が盛り込まれていましたが、最終法案からは削除されました。
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