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投資見通し

レジリエントな
一般勘定ポートフォリオの構築

エミリー・ウィーナー
TIAA一般勘定
CIO(最高投資責任者)
 
TIAA GA June 2024

TIAA一般勘定の見解

一般勘定(GA)にとって、ポートフォリオのレジリエンシーとは何を意味しますか?

GAにとってのレジリエンシーとは、いかなる市場環境にも耐え得るようなポートフォリオを構築することを意味します。GAは、TIAA(当社)がその義務を果たせるよう、全天候型のポートフォリオでなくてはなりません。具体的には、GAは負債重視型の長期投資のポートフォリオであり、投資戦略にも当社の負債の性質を反映しています。

これらの債務を満たすためにどのように資産を配分していますか?

当社では、長期的な資産配分のガイドラインとして、債券約85%、債券以外約15%という構成比率を維持しています。債券投資では主に投資適格債を保有し、できるだけ長いデュレーションプロファイルを保ちながら、一定の流動性と安定したインカム収益源を提供するように設計されています。

残りの15%は、債券との相関性が低い不動産エクイティ、実物資産、プライベート・エクイティなどを含めることで、インカムを分散しています。これらへの配分は、債券のみに投資するよりも、資本の創出とポートフォリオ全体のリターン向上に役立ちます。

GAは、市場が下落局面に転じた場合、どのように切り抜けていくのでしょうか?

当社の長期的な戦略的資産配分はさまざまな市場環境にあっても目標リターンの達成を可能にするように設定されていますが、市場環境が変化した場合には、ディフェンシブなポジションをとるようにしています。

例えば、当社は、厳格な財務コベナンツによるプロテクションがあり、債務不履行時も高い回収率を実証してきたプライベート・クレジットを選好してきました。ローンなど変動金利の資産クラスも、金利が長期的に高止まりする中で恩恵を受けています。インフラ、不動産、森林、農地などのオルタナティブ資産や実物動産もある程度のインフレ保護として有効です。

また、当社は規律あるリスク管理によって集中リスクを軽減しています。例えば、米国以外の投資は、さまざまな地域や業種に分散されており、個々のクレジットに対するエクスポージャーも比較的細分化されています。

適切に取り入れるならば、プライベート資産への投資は保険会社の一般勘定におけるサープラスのボラティリティを低減するのに役立つと考えます。例えば、プライベート・エクイティのようなプライベート資産の四半期ごとのバリュエーションを見てみると、上場資産と比較してボラティリティが低い傾向があることがわかります。しかし、経済的なボラティリティは同じ傾向ではないことから、プライベート資産への投資をきちんとモニターすることが重要です。

また、当社は信用格付けが引き下げられた場合の影響を最小限に抑えるよう、信用リスクのエクスポージャー管理について積極的に注力しており、それがポートフォリオのレジリエンシーを高めています。GAはまるで呼吸している生き物のようなもので、常にケアを怠ることはできません。

高金利環境はポートフォリオのレジリエンシーに対する考え方にどのような影響を与えていますか?

多くの点で影響はないと言えるでしょう。レジリエントなポートフォリオの構築とは、規律あるリスク管理を行い適切な水準のサープラス/資本を維持することを意味します。規律高く資産を配分した上でエクスポージャーを積極的に管理し、またリスクを管理していれば、実勢金利がいかなる水準でも、あらゆる市場環境で耐え得るポートフォリオのレジリエンスにつながるはずです。

とはいえ、15年近くの長きにわたって低金利時代が続いた後、より長く高金利が続く環境は歓迎すべき変化です。満期を迎える債券分を、オールインレートがそれより高い債券で置き換えることができるため、ポートフォリオのインカム創出能力を立て直し、ALMのニーズに対応しやすくなります。

遠い将来のインフレ率を事前に予測するのは困難ですが、そのような中にあって、GAではどのように長中期的にインカム収益を確保しているのですか?

レジリエンスを構築するということは、インフレ高進時にバリュエーションが上昇する可能性が高い資産を組み込むことも意味します。例えば当社は、不動産や実物資産に投資していますが、それらは自然なインフレヘッジを提供する傾向があるためです。これらは、インフレ期にも本質的価値を維持できる有形資産です。

さらに、これらの資産はインカム収益を生み出しますが、インフレ率に合わせた定期的な調整が可能です。例えば、ほとんどの商業用不動産リース契約には賃料の値上げが組み込まれており、アパートのリース契約は常に市場価格に合わせてリセットされるため、物価上昇に対応できるなどです。建設費、人件費、原材料費が上昇するとこれら資産の取替原価も増えるため、資産価値も上昇する可能性があります。

農地や森林など不可欠な実物資産は供給が限られているため、価格上昇の可能性があります。土地の価値が上がればリース料金も上がります。さらに、これらの資産は経済を支える食料や繊維製品を生み出すため、資産価格に加えてインカム収益源もインフレから直接的な恩恵を受けます。

 

GAはまるで呼吸している生き物のようなもので、常にケアを怠ることはできません。

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エミリア・ウィーナーも、TIAA一般勘定チームの他のメンバーも、第三者のNuveen戦略のポートフォリオ管理の決定には一切関与していません。
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