投資見通し
2025年以降の
2025年以降の
市場の変動
TIAA一般勘定の見通し
今回の米大統領選挙を受けて経済の不確実性と変動が非常に高まっている今、一般勘定(GA)はどのように長期的リターンに注力し続けるのでしょうか?
米大統領選挙は4年毎に行われ、マクロ経済動向や政策の動向や変化を理解することは極めて重要ですが、一方でGAはこうしたサイクルを超えた長期的な視野に立って投資する必要があります。
私はよく、ポートフォリオを「全天候型」とするためのレジリエンス構築ということについてお話しします。当社は毎年、ポートフォリオの満期償還や新たな退職年金積立金からのキャッシュフローを受け取りますが、これらを市場に投資する必要があります。当社は、マンデートの実行におけるNuveenの確かな専門知識や強固な投資プロセスを支えとして、米国のみならず世界的に広範囲の資産戦略にわたって、リスクと機会を評価します。こうしたマンデートを設定の上、当社は長期にわたる戦略的なアセットアロケーションの設計やALM(資産・負債の総合管理)の結果を考慮して、これらニーズを踏まえたリスク許容度の範囲内での期待リターンの最適化を図っています。
米国の次期政権は様々な政策に関心を示しています。こうした政策の多くはインフレに追い風となり、また長期的に金利を上昇させ続ける可能性もあります。
一つ確実に言えることは、今後数年間はよりいっそう変動が激しくなるとみられることです。したがって、ディフェンシブ性を維持するために投資計画をどのように展開していくかということが重要になってくるでしょう。この点で当社は引き続きプライベート市場、インフラ、地方債を選好します。
2025年についてGAはどのような展望を持っているのでしょうか?それは債券のアロケーションにどのように影響しますか?
前述のとおり、主要な経済指標が大きく変動すると予想しています。主に投資適格級の信用スプレッドが急激に縮小しているという理由から、今後はオールイン利回りに圧力がかかるとみています。当社はパブリック債券、とりわけ長期債へのエクスポージャーを引き続き維持するとともに、さらなる利回りのプレミアムを求め、また発行体や取引構造を分散させるために投資適格私募債にも積極的に乗り出しています。
ここ1~2年の間にプライベート市場に非常に関心が集まっています。どこに好機が見い出せるでしょうか?
プライベート市場といえば、多くの人がダイレクト・レンディングやプライベート・エクイティを思い浮かべるでしょう。このような利回りの高い領域は、数十年にわたる銀行の融資引き揚げを反映し急激に成長していますが、一方で何十年にもわたってプライベート市場の土台となり続けているのは投資適格私募債の分野です。不確実性が高まり変動が激しくなる中で、当社はデフォルトが発生した際に損失を軽減してくれる重要なコベナンツを組み込むことが多い投資適格プライベート・デットを選好します。その中でも、リスクに対して価格が非常に魅力的なプライベート・アセットを裏付けとする資産が堅調に伸びています。また、当社はNuveenのダイレクト・オリジネーションのプラットフォームやストラクチャリングについての専門知識から恩恵を受けており、その結果GAは独自の差別化した投資対象を得ることができています。
ネットゼロカーボンに向けてGAはどのように進展していますか?
当社ポートフォリオの中で炭素強度低減対象として指定した部分については、当初の中間削減目標達成に向けて今まで順調に進展しています。 これまでのところ、当社の2025年の目標すべてを達成しているか、または超えています1。
気候変動リスクは、究極的には資産価格に反映される長期的な投資リスクであるとの当社の基本的な考えに変わりはありません。 この時代において、低炭素強度のポートフォリオは、継続的なリターン創出に加え、その資産のクオリティは安定的に推移し、さらに向上することが期待できることから、最終的により良いパフォーマンスを記録するとみられます。
また、ポートフォリオをこの方向に移行させる能力は、世界経済が低炭素ソリューションやその実現に向けて移行するペースとおおむね一致するだろうと考えています。米国の次期政権は、気候変動リスクに対応するための規制撤廃や、化石燃料への依存を促進する政策をサポートすることが予想されるため、こうした移行ペースは影響を受けると想定されます。米連邦政府の政策転換によって多くの市場参加者のネットゼロへの移行ペースは衰えるかもしれませんが、米国の各州ならびに世界各国による継続的な脱炭素への取り組みによって相殺される可能性もあるでしょう。
一つ確実に言えることは、今後数年間はよりいっそう変動が激しくなるとみられることです。
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オフィス
¹ 参照先のデータおよび主張は独立した第三者によって確認されていません。
エミリア・ウィーナーも、TIAA一般勘定チームの他のメンバーも、第三者のNuveen戦略のポートフォリオ管理の決定には一切関与していません。