ナチュラル・キャピタル
米国における生態系保護の収益化:自然に基づく解決策(NBS)への投資
世界経済の安定的成長を維持するためには、開発による環境への影響を最小限に抑えつつ、自然資源の保全を図ることが不可欠となっています。世界経済の半分以上は自然資本に依存しているため、土地・水といった貴重な資源が失われれば、世界中の人々の生活や生計が脅かされます1。米国では、自然資本に依存する産業のGDPが推計2兆1,000億ドルに上っており、同資本への依存度が世界で最も高い国の一つとなっています2。それと同時に、米国では世界有数の環境クレジット市場が整備されており、自然資本への投資家(以下、自然資本投資家)にとって、自然損失リスクを軽減するための投資機会が提供されています。
企業が自然損失に伴うリスクに対応し、環境負荷の低減に向けた取り組みを進める中で、投資家の間でも、『自然に基づく解決策(NBS)』への投資機会を求める動きが強まっています。これらの投資が生み出す環境面へのポジティブな効果は定量的に評価することができ、かつその効果を収益化できる投資機会が存在する場合、リターンを獲得できる可能性があります。
本レポートでは、米国における生態系保護の収益化に焦点を当て、制度面の背景、市場メカニズムを活用した枠組み、およびプロジェクト開発プロセスなどに関する概要を説明します。さらに、生態系保護の収益化への投資がポートフォリオにもたらすメリットを検証するとともに、従来の森林投資や農地投資と比べてどのようなリスクがあるのかについても考察します。
オフィス
注記
1 WEF_New_Nature_Economy_Report_2020.pdf
2 同上
1 WEF_New_Nature_Economy_Report_2020.pdf
2 同上