オルタナティブ
プライベート市場に飛び込む
オルタナティブ投資を活用することで、ポートフォリオの分散とインカム、リターンの機会を拡大できる可能性があります。プライベート市場への投資は、市場低相関なリスク・リターン特性をポートフォリオにもたらすことで、上場市場からのボラティリティを緩和するとともに、インフレから投資を保護し、よりよいリターンを見込むこともできます。
しかし、プライベート市場への投資が初めてという投資家の皆様からの懸念もしばしば耳にします。ここでは、いくつかのよくある質問にお答えします。
上場企業はどこに行ったのでしょうか?
米国の上場企業数は、1990年代半ばの8,000社超をピークに、それ以降大きく減少しています。プライベート・エクイティの台頭により、企業はより長く非公開とすることが可能になりました。市場からの厳しい目に晒されることなく、また、四半期毎の報告義務もなく、時間をかけて自社のビジネスを確立できるようになったのです。スタートアップ企業の間では、ユニコーン・ステータス(時価総額10億ドル超)を達成してから上場するか、あるいは結果が不確実な新規株式公開を行うよりも他社に買収されることを選ぶ企業が増えています。
ビジネスケースが何であれ、確立されたこのトレンドは、プライベート市場が上場市場よりも多くの投資機会を提供することを意味します。
プライベート市場が提供する利点として重要な要素の1つは、機会の拡大です。これまで上場市場で見られてきた成長は、現在、プライベート市場で起こっています。ノンバンクによるローン組成は1994年には全体の30%未満でしたが、今では80%近くを占めるようになっています。資金調達市場では、銀行借入や株式発行など従来の調達方法からプライベート資本へのシフトが今後も続くと、当社は予想しています。
- 153,000 社
従業員50人以上の米国企業 - 181,000社
年商1,000万ドル以上の米国企業 - 3,800社
米国上場企業
個人投資家がプライベート市場にアクセスするには?
例えばミューチュアル・ファンドや、上場投資信託(ETF)なども含め、今まで以上に流動性のある、アクセスしやすい仕組みのプライベート市場投資商品が出回るようになっています。また、プライベートREIT(不動産投資信託)やBDC(ビジネス・デベロップメント・カンパニー)、テンダーオファー・ファンドなど、半流動的な仕組みの商品も着実に増えています。
- BDC(ビジネス・デベロップメント・カンパニー)
上場BDCの株式は取引所での売買が可能です。非上場BDCは、主に銀行やその他の伝統的な貸し手からの資金にアクセスできない米国の未公開企業に対して主に融資を提供します。非上場BDCは上場債券よりも高い利回りと低いボラティリティ、より幅広い分散投資の可能性を提供します。 - 不動産投資信託(REIT)
上場REITの株式は取引所で売買されます。非上場REITは、不動産に対するリターンを提供しながら税金を軽減または非課税になるよう設計されていますが、上場REITよりも流動性が 低い点に注意が必要です。 - テンダーオファー・ファンド
これら継続的に提供されるクローズドエンド・ファンドは証券取引所に上場されていません。これらは、発行済み株式の一部買い戻しをオファーして、投資家に流動性を提供しようとするものです。
オルタナティブ投資を検討すべき投資家とは?
オルタナティブ投資は、各投資家が持つ特有のリスク許容度と流動性ニーズや、以下に例示する主な懸念事項に対して求められる投資結果を提供しようとするものです。
- 比較的少ないボラティリティで、高いリターンの可能性を秘めた資産クラスを探したい
- 従来の保有資産を上場株式・債券以外にも分散したい
- 不動産や農地などの新たな資産クラスを検討して実物資産を増やし、バランスを取りたい
- プライベート不動産から構成された、マルチセクターの機関投資家向け不動産ポートフォリオを通して、住宅不動産への直接投資を多様化したい
- 未公開の中規模企業へのプライベート投資を通じて、スタートアップや新規事業への投資を検討したい
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