2024年に入っても市場の混乱は続くと思われますが、一部の不動産投資は引き続き魅力的な投資機会を提供すると当社は考えています。オルタナティブ・セクターに投資を割り当て、社会構造や人口動態といった不可逆的なメガ・トレンドに焦点を当てた不動産ポートフォリオは、より分散された投資と優れたレジリエンスの恩恵を受けることができるでしょう。
生成AI
イノベーションは、引受業務、バリュエーション、開発、リース、建設業務やリスクに革命をもたらす可能性を秘めています。AIは、オフィス内の従業員数の変化から、冷暖房システムの構築といった業務システムの強化まで、さまざまな形で不動産と関わっています。最先端の仕様を備えた新しい建物は、AIトレンドの重要な一要素です。
バッテリー/チップ製造
バッテリーとチップの需要は、特に伝統的な工業都市で機会を生み出します。たとえば、インテルはオハイオ州コロンバスやドイツのマクデブルクとドレスデンの施設に投資しています。一方、電気自動車(EV)やEVバッテリーのメーカーは、米国南東部のスパルタンバーグやサバンナ、フランス北部のビリー=ベルクローなどの都市に数十億ドルを投資しています。
オルタナティブ不動産
ヘルスケアやセルフストレージといったオルタナティブ不動産は通常、経済成長よりも人口動態や構造変化、テクノロジーに依存します。不動産リターンにとって最大の足かせの1つは不動産の維持コストですが、オルタナティブセクターの平均コストは13%で、伝統的な不動産セクター(20%)より低くなっています。
低炭素経済への移行
不動産の脱炭素化に向けた構造的な推進力は強まっており、欧州のオフィス市場では既に「ブラウン」ビルと「グリーン」ビルとの間で二極化がみられます。ネット・ゼロ・カーボン市場というドライバーが、低炭素ビルの需要増を通じて、新規開発機会の創出および既存物件のアップグレード機会をもたらしており、それがひいては賃料/収入の増加につながる可能性があります。
人口の高齢化
世界人口の10%は65歳以上であり、2050年までに高齢者は8億人増えると予想されています。先進国では人口の3分の1以上が様々な高齢者向け住宅を必要とする可能性があります。世界各地の高齢者向け住宅はこうした構造的な追い風に裏打ちされ、良好なリスク調整後リターンをもたらし得るとともに魅力的なポートフォリオを構築するための十分な投資機会が存在します。
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