Skip to main content
Welcome to Nuveen
Select your preferred site so we can tailor your experience.
Select Region...
  • Americas
  • Asia Pacific
  • Europe, Middle East, Africa
location select
Select Location...
  • Canada
  • Latin America
  • United States
  • Australia
  • Hong Kong
  • Japan
  • Mainland China
  • Malaysia
  • New Zealand
  • Singapore
  • South Korea
  • Taiwan
  • Thailand
  • Other
  • Abu Dhabi Global Market (ADGM)
  • Austria
  • Belgium
  • Denmark
  • Finland
  • France
  • Germany
  • Ireland
  • Italy
  • Luxembourg
  • Netherlands
  • Norway
  • Spain
  • Sweden
  • Switzerland
  • United Kingdom
  • Other
location select
Institutional Investor
  • Institutional Investor
  • Individual Investor
  • Financial Professional
  • Global Cities REIT (GCREIT)
  • Green Capital
  • Private Capital Income Fund (PCAP)
location select
投資見通し

グローバル経済:関税をとりまく状況の把握

ローラ・クーパー
 最近の中央銀行の英雄的な動きから得た 3 つの教訓

米国の「解放の日」は関税に対する大きなショックや恐怖を人々に与え、金融市場は狂乱に陥った。トランプ大統領が市場参加者の想定以上に厳しい相互関税を広範な貿易相手国に対して賦課することを発表したことで、グローバル経済の見通しを再考する動きが拡大。米国の主要貿易相手国による報復関税や関税交渉手段をめぐる不確実性の継続が市場の逆風に。本稿ではグローバル経済の行方と各中央銀行による対応の可能性ついて考察。

米国経済の再工業化を推進するため、トランプ大統領はすべての対米国輸出品に対して最低10%の関税を課すとともに、中国、日本、欧州連合(EU)を含む主要貿易相手国に対する追加関税を発表。メキシコとカナダは「解放の日」の関税発表の対象外となったものの、両国とも既に発表されている関税に直面。その後、相互関税については90日間の停止が発表されたものの、これまでの関税政策を総合すると、米国の実効関税率は過去1世紀の最大となっており、今後の更なる交渉や状況の深刻化に対する懸念が拡大。米国による経済的自給自足への加速的な移行はグローバル経済に広範な影響を及ぼすと思料。

米国:景気後退リスクは上昇、しかし、まだベースケースには至らず

米国の主要経済指標は軟化傾向にあり、消費者信頼感にも圧迫がみられている。今後の経済見通し占う上では引き続き家計の動向が極めて重要であると思料。遅行系列に位置づけられる雇用関連指標は足元まで底堅く推移しているものの、不確実性の上昇に伴う株価の下落による資産への打撃が家計の消費支出を抑制する可能性。また、継続的な不確実性は、企業の設備投資計画を狂わせ、景気後退リスクを上昇させる懸念。さらに、現在はまだ貿易相手国による報復措置を織り込む前の状況であることに警戒が必要。

報復措置などで状況が悪化することによる世界的な貿易戦争リスクおよび中期的な世界的デフレ・リスクの高まりには注意が必要。

関税発動前の駆け込み需要およびインフレ加速リスクを考慮して、FRBは景気減速が明確に経済指標に表れるまでは利下げに対して慎重な姿勢を維持する見通し。ただし、市場の混乱がより顕著となった場合、FRBによる介入が正当化される可能性。本稿執筆時点では、米国の債券市場全体における流動性は不均衡な状態にあるものの、短期借入金利は安定した動きをみせており、FRBは静観の姿勢。

欧州:報復関税リスクを踏まえて経済見通しを再考

4月9日に欧州からの輸出品に対する20%の関税が発効したことで、欧州経済の下振れリスクが一層高まったと思料。当社は、従前より関税をめぐる不確実性が経済成長に与える影響として-0.3%を織り込んで1.0%の経済成長を予想していたが、報復関税の動向次第で経済成長はさらに減速する可能性。関税をめぐる状況の長期化にはより一層の注意が必要。欧州中央銀行(ECB)は貿易が景気後退の原因にはならないと想定の上、経済指標の動向に依存した政策決定スタンスのもと、景気刺激のための利下げサイクルを継続する姿勢。しかし、ECBは貿易戦争が経済に与える「無視できない」直接的な影響を認め、これを警告。

貿易をめぐる不確実性の高まりを受け、市場は2025年の利下げ予想を引き上げ。ECBは最近の財政政策発表による市場心理の改善効果と関税による経済成長の下振れリスクのバランスととる必要があり、当社のベースケースとしては、ECBは2025年を通して中銀預金金利を1.75%まで引き下げることを予想。経済成長の下振れや市場心理の悪化の次第で、更なる利下げの可能性も視野。

アジア:より大きなリスクに直面、中国の動向に注目

アジアは関税による影響をより顕著に受けるとみられており、特に中国、日本、韓国では経済成長の下振れ懸念が拡大。関税をめぐる状況は日々変化しているが、本稿執筆時点では中国に対して125%の関税が課され、その他いくつかのアジア諸国に対しては10%の関税が適用される状況。アジア各国の中央銀行は状況に応じて対応するスタンスをとっており、日銀は次回利上げを延期し、その他の中央銀行もよりハト派的な対応に傾斜する見通し。

アジアは関税による影響をより顕著に受けるとみられており、経済成長の下振れ懸念が拡大。

当社は2025年の中国の経済成長率は、政策対応次第ではあるものの、3.5%~4.0%のレンジになると予想。中国政府は、従来の注力領域である欧米の経済政策への対処より、工業セクターの過剰生産能力問題の解決に向けて消費喚起に注力。関税が過剰生産能力問題を助長させると予想される中、中国政府は経済成長目標を守るためより積極的な姿勢をとる可能性。

その他の地域についても、カナダ、豪州、英国などで経済成長に対する関税による圧力が高まりつつある状況。関税リスクが2024年5月以降の連続利下げによるカナダ経済の好調な勢いを妨げる展開。また、内需が堅調な状態にある豪州でも、豪州準備銀行(RBA)は先行き不透明感の高まりを受け、利下げペースを加速する可能性。米国の関税の影響が比較的少ない英国でも、不確実性が経済成長の下振れリスクを高めており、英国政府のすでに困難な財政状況をさらに悪化させる要因に。イングランド銀行(BOE)は利下げサイクルを継続する構えをとっており、年内3回の追加利下げを行う見通し。

冷静さを保ちつつ前進

今後の政策の不透明感が市場心理を圧迫して米国の経済成長不安が一段と高まる見通し。国家間交渉による関税問題の好転に期待が寄せられる一方、報復措置などで状況が悪化することによる世界的な貿易戦争リスクおよび中期的な世界的デフレ・リスクの高まりには注意が必要。また、各中央銀行が関税に起因する短期的なインフレ懸念にどのように対応するかが不透明であることも、足元のボラティリティを一段と高めている要因であると思料。

当初の予想を超える高関税環境下において、投資家のリスク選好およびアセット・アロケーション戦略の策定にあたっては、関税をめぐる状況とともに、労働市場の状況と中央銀行の金融政策の動向に引き続き注目。

長期的な目線での貿易環境、企業収益、消費者心理などにも引き続き注目が集まる見込み。足元の不確実性およびボラティリティの高い状況下では、ポートフォリオのアクティブ運用およびボトムアップのファンダメンタル分析が肝要。

お問い合わせ
当社のオフィス
日本
東京
〒100-7018 東京都千代田区丸の内二丁目7番2号JPタワー18階
Back to Top Icon