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オルタナティブ

足元、農地投資が注目される理由

Farmland image

足元、農地投資が注目される理由

コロナ禍に関する先行き不透明感を背景に、足元は安全資産とされる米国債(長期金利は1%以下まで低下)、金、ハード・カレンシー(米ドルなど)への需要の増加がみられています。コロナ禍発生前においても農地投資は伝統資産に対するオルタナティブ資産として注目されておりました。農地投資は経済の低迷局面においても安定的に高位なインカム収入を提供してきた実績を有しております。

歴史的に農地投資は景気サイクルとの相関性がなく、広範な市場インデックスや伝統的資産と比較してボラティリティも低位な水準です。Westchester(以下「当社」)では、今回のコロナ禍による市場環境の悪化局面においても、農地は過去の市場下落時同様、堅調に展開するとみています。農地は景気減速時でも価格の下落が相当程度限定的であり、足元においても先進国国債の利回りを超えるインカム収入を創出しています。

現在の危機と近い状況であった2008年の金融危機時においては、米国経済の多くのセクターで下押し圧力がかかっている状況でした。しかし、農業セクターはこの時期においては、高位なリターンを創出することができており、結果として出荷される農作物の収益性および農地価格の上昇につながりました。Kuethe博士らが実施した研究によると、2008年の金融危機前の4年間と金融危機後の4年間の計8年間の期間において、農地は継続してプラスのリターンを創出し、米国債、ダウ平均株価、S&P500指数をいずれもアウトパフォームしました。

コロナ禍が発生する以前から、債券利回りは低下基調にあったため、投資家は利回りを求めてほかの資産クラスを模索していました。加えて、低金利環境を背景に調達コストの低下を受けて新規発行も増加し債券市場では需給の緩みもみられたことから、農地を含むリアル・アセットへの投資家需要が高まりました。その結果、直近数年間で農地価格は上昇し、これは時に当資産クラスの収益力をも上回り、利回りの低下を引き起こしました。しかし、このような状況を勘案しても依然として農地投資による利回りおよびシャープ・レシオはそのほかの資産クラス対比魅力的な水準にあります。

期待リターンに加えて相対リターンのボラティリティも考慮に入れると、農地は一層魅力的な投資対象です。米国の農地投資によるリターンは米国10年債と同程度のボラティリティであり、米国株式市場(S&P500指数を用いて計測)よりも非常に低い水準です。リターンの変動性は同程度に低いにも関わらず、農地投資からのリターンは各国の10年国債利回りをアウトパフォームしています。

リスク調整後リターンを考えると、農地投資によってポートフォリオの分散化にも寄与します。特に現状のように金融市場の不透明感が高い環境下においては農地投資の低位な市場変動性は非常に魅力的となります。市場の調整局面では、そのほかの資産クラスと比較して、農地投資は安定的に推移します。図1では過去30年間において、米国およびグローバル経済が景気後退局面を迎えていたときにおいても、農地投資は安定的に推移したことが確認できます。

このような非対称的なリターン特性をみると、景気の先行きが不透明な場合の投資先として、農地は非常に魅力的な選択肢となります。1999年以降、米国における農地投資では1四半期しかマイナス・リターンを記録したことがありません(2002年1-3月期に-0.01%を記録)。また、S&P500指数が下落した時に、米国での農地投資によるリターンはプラスとなっています。農地投資の安定性および景気サイクルとの無相関性は、人口が増加していく中で、限られた耕作地のみで生産される食糧への需要が減退することはないことに起因します。

コロナ禍の拡大によって今後、食糧安全保障(訳注:Food Security、健康な生活を送るために必要な分の食糧を調達ができているかに関する考え)が脅かされる可能性がありますが、この懸念に対する明確な証左はありません。SARSや鳥インフルエンザ、MERSなどのこれまで経験したパンデミックでは食糧価格の上昇が起きました。今回のコロナ禍においては、食糧不足や深刻な食糧価格の上昇は足元みられていません。小麦やトウモロコシ、米のような主要作物の価格はパンデミック発生後も比較的安定した推移となっています。また過去を振り返っても、景気減速によって主要な食糧の需要に大きな影響を及ぼすような事態はありませんでした。

反対に、今回のコロナ禍によって土地価格の下落に対する懸念も考えられます。当社では、農地価格に対して短期的な下落圧力がかかるようなことはないと考えています。サプライ・チェーンの混乱によって一部の地域においてコモディティ価格の下落など、地域間で価格に乖離が出た場合には、この乖離が一時的なものなのか長期的なもの何かについて市場の見解によって土地価格も左右されます。(その他の条件はすべて同じと仮定した中で)価格の乖離が一時的なものであると判断された場合には農地市場ではコモディティ価格の低迷を農地価格に織り込むことはせず、逆に長期的なものであると判断されて場合にはコモディティ価格の低下は農地価格の低下を引き起こすと考えます。後者のような場合であっても、農地価格の低下は、グローバルに中央銀行が景気刺激策として打ち出している低金利環境によって相殺されるとみております。

足元のコロナ禍における農地投資の優位性とは独立して考えても、技術革新による農作物の生産性の改善がもたらす農地投資からのリターンの向上を考えると、現在は投資を開始するのに最適なタイミングです(農業新技術の導入による生産性および農地のリターンの向上に関しては当社の2020年1-3月期のリサーチ・レポート、"The drivers of farmland values: An analysis of global row crop farmland pricing"に詳述されています)。20世紀においては、主要な農業新技術の導入や収穫率の上昇によって最終的に全要素生産性(Total Factor Productivity (TFP))が向上しました。全要素生産性は生産性の高低を図る指標であり、どのようなインプットがより多くのアウトプットを生み出すかを考える際に利用されます(図5を参照)。例として、1970年代から1980年代にみられたように、1990年代も除草剤に耐性のあるトウモロコシの導入・普及を受けてTFPは年率1.5%超とこれまでから倍増しました(図6を参照)。日々多くの農業技術が農業従事者へともたらされていますが、過去の例をみると、実際に新技術が導入・普及されてから生産性やリターンの向上につながるまでには時間差が生じることがあります。ただし、この時間差はこれまでよりも短期になっていることがわかります(図5を参照)。農業従事者の状況と、新技術の未導入状況を勘案すると、足元は当資産クラスに投資を開始する非常に良いタイミングであると考えます。

農地投資を通じたリターンの安定性および一貫性はその他のオルタナティブ資産にはない特長です。現状のファンダメンタルズによるリターンに加え、生産性の改善によるリターンの向上も期待することができます。その他にも高位な利回り、低ボラティリティ、株式との逆相関性、景気サイクルを通じて安定的に推移するなど、農地投資は固有の特長を有しております。ポートフォリオの分散化の観点からも農地投資は魅力的な資産クラスであると考えています。
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