2022年10月27日
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ヌビーン、欧州の大手プライベート・デット運用会社アークモント・アセット・マネジメントを買収
TIAA(米国教職員退職年金/保険組合)の資産運用を担うヌビーンは、本日、210億米ドルのコミット額を有する欧州の大手プライベート・デット運用会社であるアークモント・アセット・マネジメント(以下、アークモント)の支配権を取得する正式契約を締結したことを発表しました。 この買収により、ヌビーンのプライベート・キャピタルに関する専門知識とプレゼンスは欧州に拡大し、北米のプライベート・デットおよびプライベート・エクイティ投資の専門家集団である チャーチル・アセット・マネジメント(以下、チャーチル) を補完することになります。
2011年に設立されたアークモントは、欧州のプライベート・デット市場のパイオニアとして、様々な企業、産業、市場に資金調達ソリューションを提供してきました。設立以来、アークモントは350以上の優良投資家から260億米ドル以上の資金を調達し、欧州全域の取引240件で200億米ドル以上をコミットしてきました。欧州の6つの オフィスに約100名 の従業員を擁するアークモントの経験豊富な投資チームは、欧州におけるオリジネーション能力に加えて、プライベート・エクイティ・ファンド、企業、アドバイザーとの長年の関係を兼ね備えています。
ヌビーンのCEO であるホセ・ミナヤは、「アークモントは、世界で最もダイナミックな投資市場の一つであるプライベート・デット市場における当社の地位を大幅に引き上げ、世界中で複雑化するお客様の資本ニーズへの対応を強化する変革的機会を当社に提供することになります。ヌビーンは、プライベート・キャピタルの分野で、深い経験とスキル、一貫した柔軟性、革新的な思考、そしてステークホルダーのための長期的価値の創造にフォーカスし、優れた投資文化を有するアークモントを迎えることができ、とても嬉しく思っています」と述べています 。
チャーチルの社長兼CEOであるケン・ケンセルは、「欧州のプライベート・デット市場のリーダーであるアークモントと、米国における主要なプライベート・キャピタル・プロバイダーの一つである当社が共に新たな地位を築くことを、大変嬉しく思っています。両社が協力することで、プライベート・エクイティのお客様には大規模かつ統合された資金調達ソリューションを、投資家の皆様にはクラス最高かつグローバルなプライベート・クレジット・プラットフォームから、幅広い魅力的な投資機会を提供することができます」と述べています。
アークモントの CEO であるアンソニー・フォベルは、「ヌビーンの傘下に入ることによって、アークモントの既存のビジネスモデルを発展させ、ヌビーンの専門知識と販売力を活用して、補完的な戦略への投資を可能にする最適なパートナーシップを得られることを、大変嬉しく思います。拡張したグループの強みを生かし、当社の中核事業である欧州のアッパーミドル市場向け融資における市場ポジションを発展させることができると考えています。新しいパートナーと緊密に協力し、地域横断的に新たな戦略や補完的な商品を共に拡張していくことを楽しみにしています」と述べています。
アークモントとチャーチルを統合することにより、600億米ドル以上のコミットメント資金を有する世界最大級のプライベート・デット・マネージャーが誕生し、ヌビーン全体のオルタナティブ・クレジット運用資産は1,780億米ドルとなります。ヌビーン・プライベート・キャピタルの設立により、アークモントとチャーチルはパートナーシップを結び、地理的なスケールと、企業の借り手に対してより幅広い商品と融資の選択肢を提供することができる能力を有することになります。両社は引き続きそれぞれのリーダーシップ・チームによって運営されますが、ヌビーンの豊富なリソース、専門知識、販売力のメリットを受けることができます。アークモントとチャーチル は240 名の専門プロフェッショナルを擁し、600以上の機関投資家およびファミリー・オフィスにサービスを提供します。
「プライベート・キャピタルのファンド・レイジングと展開において、規模は大きな差別化要因です。そのため、両社が補い合う能力は、より多様なリミテッド・パートナーから大きな恩恵をもたらし、資金調達能力を高め、プライベート・デット市場における当社の成長を加速させます」と、ミナヤは付け加えます。
フォベルとケンセルはそれぞれ引き続き アークモント と チャーチル を率い、ヌビーン・プライベート・キャピタルの共同 CEO として、ヌビーン・プライベート・キャピタル会長兼ヌビーン株式・債券統括 (グローバル株式、課税債券、地方債、マルチ・アセット、プライベート・キャピタルを含む)ウィリアム・ハフマンの管轄下となります。アークモントと チャーチル の両社は、それぞれの名称とブランドで事業を継続しますが、各投資チームと投資プロセスに変更はありません。
旺盛な市場の需要に対応した取引
世界的なマクロ経済の逆風により、流動性の高いパブリック市場のボラティリティが継続する可能性が高い中、業界最大のプライベート・デット運用会社は、欧米の優良な借り手にとって有利な代替資金調達源であるこの資産クラスの力強い成長から利益を得ることになります。プライベート・デットは急成長を続けており、2022年には全世界の運用資産額が過去最高の1.4兆米ドルに達しました(ブルームバーグおよびプレキン)。ヌビーンは継続的に市場の需要に応え、デットにフォーカスした商品や投資を追加して、お客様に充実したケイパビリティーを提供しています。機関投資家のポートフォリオにおけるオルタナティブ・クレジットの重要性が高まっていることは、ヌビーンが機関投資家およびコンサルタント800名を対象に行った2022年グローバル機関投資家調査でも明らかです。この調査では、投資家の4分の3が利回りを追求するために投資対象を今後2年間に拡大する予定であり、大多数がオルタナティブ・クレジットに期待していることが明らかになっています。
取引ストラクチャー
本買収取引は、英国の金融行動監視機構およびその他の規制当局の承認を条件として、2023年上半期に完了する予定です。買収金額等は開示していません 。
ヌビーンについて
ヌビーンはTIAA(米国教職員退職年金/保険組合)の資産運用を担い、機関投資家や個人投資家の長期的な投資目標の達成を目指し、幅広い投資ソリューションの提供を行っています。ヌビーンは2022年6月30日時点で1.1兆米ドルの運用資産残高を有し、27カ国で事業を展開しています。投資プロフェッショナルによる深い専門知識を活用して、顧客に伝統的資産やオルタナティブ投資など、幅広い投資戦略の紹介、提供を行っております。
ヌビーン傘下のチャーチルについて
チャーチルは、ミドルマーケットのプライベート・エクイティ・ファンドとその投資先企業に対し、資本構成全般に渡るカスタマイズされた資金調達ソリューションを提供しています。410億米ドル以上のコミット額を有し、第1抵当権付シニア・ローン、ユニトランシェ・ローン、第2抵当権付ローン、メザニン・ローンに加え、エクイティ共同投資やプライベート・エクイティ・ファンドへの投資を提供しています。チャーチルは、様々な景気循環の中で規律ある投資を行ってきた長い歴史があります。ニューヨーク、シャーロット、シカゴ、ダラス、ロサンゼルスで140名を超えるプロフェッショナルが、独自のオリジネーション戦略、ベスト・イン・クラスの投資を推進しています。
アークモントについて
アークモントは、市場をリードするプライベート・デット運用会社であり、欧州の様々な企業に柔軟な資金調達ソリューションを提供しています。2011年に設立されたアークモントは、これまでに260億米ドルを超える資金を調達し、多様な欧州企業に資本を提供しています。資本構成全体にわたり、オーダーメイドで柔軟かつ革新的な資金調達ソリューションを提供することを目指しています。現在、ロンドン、パリ、ミュンヘン、ミラノ、マドリッド、ストックホルムの欧州6拠点 で約100 名の従業員を擁しています。アークモント・アセット・マネジメント・リミテッドは、金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)の認可と規制を受けており、企業参照番号は845535です。