Skip to main content
現在地を確認
location select
language select
地方債

課税地方債:2022年の逆風は 2023年の追い風になる可能性

ダニエル・J・クローズ、CFA
課税地方債責任者
skyscrapers

重要なポイント

課税地方債市場のパフォーマンスは、10月にクレジット・スプレッドが年初来のピークを記録し、4四半期の間は不安定な動きが続きました。それにもかかわらず、新規発行が限定的であったことや米国債利回りの動きがレンジ内にとどまったこと でパフォーマンスの改善がみられました。 地方債は第4四半期をプラスで終えることができております。今後、インフレは低下を続けるはずであり、米連邦準備制度理事会(FRB)もこの傾向を確認することになるでしょう。この場合、マクロ経済からの追い風が課税地方債に対する強固な需要を支え、2023年の盛り返しに貢献するでしょう。

見通し

第4四半期をプラス・リターンで終えたことで、2023年に向けてモメンタムを創出

マクロ経済は2022年後半にかけては安定感を増してきました。例えば、12か月に亘るインフレは非常に高い水準にとどまっていますが、直近5か月 間の推移はFRBの思惑に沿うものです。FRBはインフレ対応に断固とした姿勢をとっておりますが、タカ派的なトーンは僅かにシフトし、利上げペースの減速がみられました。

サプライ・チェーンに関する問題も大きく改善をみせました。労働市場は堅調に推移していますが、人々が仕事に戻ることは最終的には経済にプラスとなります。平均時給の伸びは労働市場参加率の上昇とともに減速してきております。

しかしながら、第4四半期における米国債利回りの上昇は限定的で、2022年3四半期までとは対照的な動きとなりました。

金利環境が安定化したことで第4四半期のプラスのパフォーマンスを下支えしました。リスク・センチメントが改善して投資家の需要が強まる中、クレジット・スプレッドが縮小し始めるにつれ、リターンはさらに向上する可能性があります。

マクロ経済環境が大きく変動し、FRBによる金融引き締めもあった中で、地方債が示したこの回復力をみると、2023年は楽観的な見通しを有することができるかもしれません。過去にも、課税地 方債はマイナス・リターンとなった年の翌年には 力強い回復をみせてきました。市場の下落によって高い利回りを獲得できるようになると、新たな投資資金を惹きつけることができるためです。 今後の経済動向とFRBの金融政策に関する不確実性は、2023年も米国債金利を不安定化させる可能性が高い一方、課税地方債は高利回り環境による恩恵を受けております。

2022年はFRBの金融政策に関心が集中し、一般的な地方債の特性に関する考慮が二の次になってしまいました。本来の特性は2023年に向かっては総じて好ましい状況にあるように思われます。高インフレ環境下で、格上げが格下げを上回る状況となった理由として、地方債の発行体が手掛ける事業が独占的でかつ、生活必需サービスを提供していることが挙げられます。そして課税地方債の供給の少なさは、強固なクレジット・ファンダメンタルズと相まって、潜在的なリセッションに対する備えが整っているようにみえます。当社はFRBによる利上げペースが鈍化すれば、今年は本来有する特性によって、地方債市場は回復すると期待しています。

地方債市場の2023年のテーマ

経済環境

 

地方債の市場環境

 

ダウンロード

関連レポート
地方債 課税地方債 2023年の展望: 依然不透明も 前途は明るい
債券 地方債投資におけるESGをめぐるイノベーション
投資見通し ポートフォリオ構築テーマ
どれくらいの時間を待てば、「正常」な状態に戻るのでしょうか?そもそも、経済や市場全体における「正常」とは、いったいどのようなものでしょうか? ..
[OFFICES TITLE ]
Back to Top Icon