2023年1月26日
投資見通し
ポートフォリオ構築テーマ
投資家が期待してきた経済状況は、姿をみせ始めているようです - インフレの鎮静化と中央銀行のハト派への転換(ただしFRBは引き締めを続ける可能性が高いものの、そのペースは緩やかになるでしょう)がみられますが、景気後退の可能性も高まっています。当社の2023年のポートフォリオ構築テーマは、景気循環による下落をプラスに活かし、2022年に投資家が得られなかった安定性を享受できる投資を通じて、レジリエンスを求めることが中心となっています。そして同時に、パブリック市場の低迷と、その結果として生じたプライベート部門における不均衡を説明します。
資産クラスの「ヒートマップ」
資産クラス間についての当社の見解では、世界の金融市場の中でどこに最高の相対的な投資機会があるかを示しています、この見解は、特定のポートフォリオを表すものではなく、むしろ、「新規の資金を投じる場合、当社の最も確信度の高い見解はどのようなものか」という質問に答えるものです。ここで示す見解は、長期的な成長を求める米ドル・ベースの投資家を前提としており、この先1年の取引期間を想定して考えています。
ポートフォリオのテーマ
- 景気循環性の低減: インフレはついにピークに達したものの、インフレ低下は困難を伴うと判明するかもしれないと考えています。価格のディスインフレは企業収益の低下につながり、これが株式の新たなレッグダウンを引き起こす可能性が高くなっています。当社が、質が高く増配がある株式を選好するのは、このシナリオを反映しているからです。さらに、インフラ銘柄への投資を増やして景気循環性を低減させることをお勧めしています。インフラ企業は、一般に提供する必須サービスに対する需要は弾力性がないことが一因となり、景気減速を通じて成長が可能な場合が多くなっています。インフラは資産クラスとして、グリーン技術や世界的なエネルギー不足といった数多くのマクロ経済的要因からメリットを得られるようにみえます。
- コアの強化:2022年は、過去には支援材料だった株式と債券の(つまり、マイナスまたはプラスの)相関が破綻するのを目撃しました。今後については、利上げの大半は既に終了し、FRBの「遅々とした、ただしより長期的な」アプローチが形作られるにつれ、コア債券、とりわけ投資適格債への配分を通じて徐々にデュレーションを長期化させるのは理にかなっていると考えます。また、ハイイールド債(特に高格付けセグメント)も依然として選好していますが、ある程度のスプレッドの拡大を予想しています。同様に、ローンに選択的な投資機会もあると考えますが、引き続きデフォルトリスクを警戒しています。地方債は引き続き当社が選好する商品で、強力なファンダメンタルズが続いていることを考えると、特に評価が低いようにみえます。
- プライベート市場とパブリック市場のポートフォリオ配分のバランスの評価:2022年にパブリック市場がどれほど落ち込んだかを考えると、パブリック市場とプライベート市場全体に資産を配分した投資家は、年初に比べこの2つの市場間の不均衡に直面しているかもしれません。一部のプライベートのバリュエーションにおいては評価切り下げの可能性への懸念があることを認識する一方で、当社は、魅力的なファンダメンタルズを持つプライベート資産クラスへの強力な選好を維持しています。例えば、プライベートクレジットは、ヘルスケア、ソフトウェア、保険仲介業などディフェンシブなセクターに根ざし、長期資本が市場の変動を免れ、また基本的な取引は強力な運用モデルに支えられているので、とりわけ強靱さを保つでしょう。さらに、プライベートクレジットの条件は、シニア債の利回りが史上最高となり、デットレシオが低く、契約条項が有利なので、魅力的にみえます。また、農地については、高いインフレ水準が続く中、堅実な投資機会があるとみています。同時に、プライベート不動産には短期的なリスクがある程度存在する一方で、パブリックREITには堅実な投資機会を見いだしています。
当社の見解の大幅な変更
成長リスクが前面に出てくる。2022年と同様の苦しみを持って、当社のグローバル投資委員会は、失業率の高まりや名目小売売上高の低下を含め、高金利が経済にもたらすマイナスの影響についてよりはっきりとした証拠を得るまでは、2023年に向けてポートフォリオにリスクを
追加することに依然として慎重です。このセンチメントは、当社の更新したヒートマップに現れています。マップは、シニアローンやハイイールド債を犠牲にして、米国債や投資適格債といった金利・デュレーション資産に対する当社の選好を示しています。また、プライベート市場の同様の資産に比べ経済の悪いニュースを多く価格に織り込んでいる上場REITを大幅にアップグレードしました。
デュレーションを穏やかに長期化し、債券市場の高格付け分野に注目することは理にかなっていると考えます
当社の最も確信度が高い(ハイコンビクション)見解
より質の高い社債(+) は、無視すべきではない明るい投資先として、魅力的な利回りとスプレッド水準を提供します。この商品がもたらす収益は、スプレッド拡大の結果生じる負の値動きに対するクッションを提供します。投資適格クレジットは、景気後退リスクへの懸念が高まる中で、優れた選択肢です。
インフラ(+) は、債務コストの増加やインフレ高進から十分に保護されています。当社は、米国を本拠地とする公益企業、中流のパイプライン企業および廃棄物管理企業を選好しています。公益企業については、米国中心の事業展開と企業を支える規制環境が地政学的なリスクからの保護をある程度提供し、消費者にインフレコストの転嫁が可能となっています。加えて、インフレ抑制法によりグリーンエネルギーへの取り組みに関する設備投資は、かなり魅力が増しています。中流のパイプライン会社は、世界が米国のエネルギー源に頼ることが増えるにつれ、世界のエネルギー不足問題が高まる中でメリットを得られる位置にいます。廃棄物管理会社は、その業務に対する確固たる需要と、それが導く価格決定力により、市場を上回る成長を提供してくれるでしょう。さらに、インフラセクターのパフォーマンスは歴史的に、経済成長と切り離されています(図 1)。
米国以外の株式と債券(-)は、引き続き大きくアンダーウェイトしています。当社は、ドル高、中国を巡る不透明性、ロシアとウクライナの紛争の継続、英国や欧州でのスタグフレーションの可能性に関して、依然としてリスクが存在すると考えます。とりわけ、当社が最も弱気にみているのが英国と欧州の市場です(ここでは、上記で挙げたリスクが最も集中しています)。また新興国市場に対しては若干の弱気ですが、中国のリスクが後退すれば改善する可能性があります。
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