2023年8月1日
投資見通し
ポートフォリオ構築テーマ
投資環境は依然として不透明です。積極的な利上げはようやく終わったかもしれませんが、2023年末まで利下げは見込めないため、投資家は引き続き「長期にわたる高金利」環境に対応しなければなりません。景気後退の可能性は高まっていますが、長期的かつ深刻な景気後退は予想されていません。こうした背景から、多くの投資家は行動を起こすことを避けています。しかし、それは間違いである可能性があります。待ち続けること自体にリスクが伴うからです。当社のポートフォリオ構築テーマは、単に現金を保有するよりも優れていると思われる多くの投資アイディアを提案しています。
資産クラスの「ヒート・マップ」
資産クラス間についての当社の見解では、世界の金融市場の中でどこに相対的に優れた投資機会があるかを示しています。この見解は、特定のポートフォリオを表すものではなく、むしろ、「新規の資金を投じる場合、当社の最も確信度の高い見解はどのようなものか」という質問に答えるものです。ここで示す見解は、長期的な成長を求める米ドル・ベースの投資家を前提としており、1年の運用期間を想定しています。
ポートフォリオのテーマ
- まずはつま先から:これが最近のGIC会議で明らかになった主要な投資テーマです。顧客の多くは、経済状況の先行きが明確になるのを待っていたり、現金で5%近いリターンを得ることが現実的な低リスクの選択肢であると考えているため、多額の現金を持ち続けています。しかし、インフレが緩やかになり始め、成長率が鈍化する可能性が高いことから、現金利回りが高水準にとどまる可能性は低く、再投資リスクが生じています。肝心なのは、世界の金融市場の特定の分野には、より魅力的な機会があるということです。
完全なリスク・オン・モードに移行せずに利回りを高めたいと考えている人にとっては、地方債を含め、広範な債券市場を検討することが理にかなっているでしょう。図1は、さまざまな金利・インフレ環境下でのさまざまな資産クラスのリターンを示しています。過去は将来を保証するものではありませんが、歴史が示唆しているのは、(1)金利引き上げ後の期間(その効果が経済全体に波及している期間)と(2)景気低迷の中で金利が引き下げられている期間には、コア債券と地方債は堅実な投資候補であるということです。
この他にも、リスクとリターンの観点で有利な投資対象は数多くあります。以下に、また本見通しの「最善のアイディア」セクションで詳述しています。
- 世界の海域を探る:GICGICでの議論で明らかになった22つ目の明確なテーマは、米国外の投資対象は検討に値するということです。
株式については、米国大型株式(インフレ率の鈍化、利回りの安定、ハイテク・セクターの追い風から好パフォーマンスが期待できる)だけでなく、新興国株式(魅力的なバリュエーション、米ドル安、中国の金融緩和政策から追い風が期待できる)にも投資を行うことで、分散を図ることをお勧めします。また、欧州の銀行セクターは米国に比べて堅調であり、欧州の株式と債券の両方に有望なチャンスをもたらす可能性があります。さらに、不動産やリアル・アセットを含め、米国以外のオルタナティブ資産にも魅力的なものがあります。
- オフィス以外で不動産市場のオアシスを見つける:最近の銀行セクターの危機(およびそれに伴う不確実性の継続)により、多くの投資家は、不動産オフィス・セクターが次に下落するのではないか、またオフィス関連不動産の動向がポートフォリオに影響を与えるのではないかと懸念しています。当社は、このセクターにおける課題が続くと予想していますが、その結果として金融市場に広範な影響が及ぶとは予想していません。オフィスの空室率は高いものの、地域によってまちまちです。すでに圧力を受けている米国の地方銀行は一般的に、大規模なオフィスビルや複合施設へのエクスポージャーを有していません。オフィス・セクター以外では、不動産のファンダメンタルズは堅調です。
オフィス関連の報道以外にも目を向けると、不動産の興味深い可能性が見えてきます。当社は主に、小売、住宅、産業、オルタナティブ分野を含め、オフィス以外のパブリックおよびプライベート不動産セクターに焦点を当てています。上場REITは特に、配当の安定性や強固なバランスシートに加えて、魅力的なバリュエーションや良好な収益があり、検討に値します。
クレジットを詳しく見る
パブリック市場の債券は、景気後退が始まって金利が低下することが明らかになれば、好調に推移するはずです。
穏やかな景気後退が予想される中、プライベート・クレジットは恩恵を受けると思われます。実際、現在のプライベート・クレジットのヴィンテージは特に魅力的である可能性があります。今日の金融情勢により、ディフェンシブな構成になっているからです。
最後に、ヒート・マップで一段階格下げした優先証券についてご説明します。銀行の破綻に関連した売りを考慮すると、優先証券は割安になっているものの、銀行セクターと資産クラス全体には課題が残っています。しかし重要なのは、米国以外の銀行やその他の発行体にチャンスがあることです。これには、保険、公益事業、中流にあるエネルギー企業、米国の一部のスーパー・リージョナル銀行が含まれます。
現金よりも魅力的な投資アイディアが幅広く存在します。
当社の最も確信度が高い見解
インフラ(強気)は長い間、当社が強気にみてきた分野です。依然として高いインフレ率は、相対的にインフラにプラスです。インフラには、経済成長の鈍化に直面しても底堅く推移する傾向があります。非上場インフラよりも上場インフラの方を若干ながら強気でみています。これは、昨年パブリック市場で起こった価格の調整が時間差を伴いプライベート市場で起こる可能性があるからです。
プライベート・クレジット(強気)は新規発行の減速に直面していますが、ファンダメンタルズは依然として健全です。これらの投資は、相対的に景気低迷にうまく耐えられるヘルスケア、ソフトウェア、保険仲介業など、より底堅い市場分野に集中する傾向があります。
地方債(強気)は依然として、クレジット・リスクを取ることが得策であると考えられる人気の分野です。ファンダメンタルズは堅調で、需要は市場に戻り、バリュエーションは妥当に思えます。
オフィス
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