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責任投資(RI)

取締役会における平等性の追求

年配女性のイメージ

女性が取締役会に参加する機会は増えました。これからは女性役員がリーダーとなる時です。


現在、S&P 500指数構成企業全ての取締役会に女性が参画しています。そして、企業の規模にかかわらず、新たに任命される取締役数の45%を女性が占めています。

しかしながら、エイミー・オブライエン(Nuveenの責任投資部門グローバル・ヘッド)は単に取締役であることだけでは不十分な段階になってきたと述べています。

企業の取締役会における女性取締役の数は増加しています。なぜ、これだけでは不十分なのでしょうか?


単なる取締役であることの重要性は以前よりも低くなっています。それはリーダーの地位に就くかないと、女性の意見が取締役会の議題に適切な影響を与え、全体に検討させるところまでいかないからです。

Deloitte社によると、世界中の企業の取締役会において、議長の役割を担っている女性の割合は20%以下にとどまっています。別の研究では、女性取締役の在任期間が男性取締役に比べて比較的短いことを考慮した場合でも、女性は男性よりも取締役会の議長や主要社外取締役を務める可能性が低いという結果が出ています。

なぜ、一部の企業の対応は遅れているのでしょうか。

 
対応が遅い企業の取締役会は、実施しないことの理由をとして複雑な事業計画上のハードルを挙げます。つまり、人材獲得競争が激しく、女性のリーダー候補者を獲得するのが難しいというのです。

実際のところは、単純に視野が狭すぎる企業も存在します。現状の候補者の中からリーダーポジションを埋めるのではなく、優秀な女性人材を発掘してきた実績を持つ外部の人材紹介会社を利用することができます。 取締役会で必要なスキルをもっと幅広く考える必要があります。 新しい取締役は現在や過去のCEOである必要はありません。確かに、CFOやCMO、人事部門や事業部門担当役員は取締役会に価値のある知見をもたらすことができます。

企業が取締役会の性別に関する多様性を向上させるために何ができるでしょうか?


真に多様化された取締役会を有する企業は、企業や社会的な利益をさらに生み出します。これには、従業員の満足度や環境・社会・ガバナンス(ESG)への更なる取り組みが含まれます。

企業はガバナンスのベスト・プラクティスに目を向け、1年に一度取締役会の評価を行い、委員会の任命について確認を行い、委員会の議長の役割がローテーションで行われることを確実にする必要があります。このようにして、女性を含む、より多くの取締役がリーダーとしての役割を担うことができるのです。また、取締役会に関するトレーニングも、取締役のそれぞれの経歴に関わらず、今後効果的なリーダーシップに必要なスキルを学習し、知識を新たにする手助けとなります。

投資運用業界はどのように関与することができるでしょうか?


取締役会は、集団思考を避け、事業を展開している様々な市場をしっかりと理解し、グローバル経済を形づくる変化の早いトレンドを捉え、能力の高い従業員を維持し、惹きつけるために多様な視点を必要とします。大手機関投資家には、男女平等のためだけではなく、取締役会において女性がリーダーシップをとる機会を増やすことを求める必要があります。

しかし、その責任を担うのは大手機関投資家だけではありません。我々のような投資会社もまた、女性がリーダーシップをとる機会を増やすようアクションをとらなければなりません。それが投資先企業とのエンゲージメントの始まりなのです。一般的に中小企業は、ダイバーシティの課題に対して弱いため、経営陣との対話を通じて、女性の登用やダイバーシティへのコミットメントのいずれかにおいて、真の変化を生み出すことができます。経営陣の反応が悪ければ、具体的なアクションをとり、議決権を行使して多様性の乏しい経営陣に対する否認権を発動させることもできます。

我々投資会社は、投資先企業に働きかけるだけでなく、グローバルにおけるジェンダー・インクルージョンの取り組みにも目を向ける必要があります。北米や欧州の企業がこの点において先行している一方、アジア諸国、特に日本は遅れをとっています。Deloitte社によると、日本企業の取締役会における女性取締役の割合はわずか5.2%です。そのため、米国企業と同じ基準を、現在女性取締役を有していない約400社の日本企業にも適用する必要があります。ジェンダー・ダイバーシティの差について責任を負う日本企業の役員は、私たちが議決権を行使すると想定して良いでしょう。

多様なリーダーを擁する多様な取締役会が、自分たちの企業と世界に対してより良い成果をもたらすというメッセージを、議決権行使の季節に株主に対して伝える機会となります。取締役会における平等性を促し続けていきましょう。
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1WSJ: https://www.wsj.com/articles/the-last-all-male-board-on-the-s-p-500-is-no-longer-11564003203
2Equilar’s Gender Diversity Index: https://www.equilar.com/reports/70-q3-2019-equilar-gender-diversity-index.html
3Deloitte社「役員への女性登用」: グローバルな視点https://www2.deloitte.com/global/en/pages/risk/articles/women-in-the-boardroom-global-perspective.html
4Nili, Yaron, Beyond the Numbers: Substantive Gender Diversity in Boardrooms (October 20, 2017). 94 Ind. L. J. 145 (2019); Univ. of Wisconsin Legal Studies Research Paper No. 1436.
5Deloitte社「役員への女性登用」: グローバルな視点https://www2.deloitte.com/global/en/pages/risk/articles/women-in-the-boardroom-global-perspective.html
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